iDeCoの受け取り方で手取りはどう変わる? iDeCoシミュレーターの使い方

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iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が全額所得控除になり、運用益にも税金がかからない、老後資金づくりの有力な制度です。ただし、いくら積み立てるかと、どう受け取るか(一時金・年金・併用、何歳で受け取るか)によって、最終的に手元に残るお金は大きく変わります。

このページでは、iDeCoで損をしないための考え方と、無料の「iDeCoシミュレーター」での試算の仕方を、具体的な数字で紹介します。

iDeCoの「お得」は3つの場面で決まる

  1. 掛けるとき: 掛金の全額が所得控除になり、所得税・住民税が安くなります。
  2. 運用している間: 運用益に税金がかかりません(通常は約20%)。
  3. 受け取るとき: 一時金は「退職所得控除」、年金は「公的年金等控除」を使えますが、受け取り方によっては税金や社会保険料がかかります。

掛けるときの節税は分かりやすい一方、受け取るときの税金・社会保険料は見落とされがちです。iDeCoシミュレーターは、この3つをまとめて「生涯の手取りがいくら増えるか」で比べられるようにしています。

試算の例: 40歳・年収600万円の会社員の場合

次の条件で試算すると、結果は下の表のとおりです(iDeCoシミュレーターと同じ計算です)。

  • 40歳、給与収入600万円、扶養家族なし、65歳で退職
  • iDeCoに毎月2万円を65歳まで(25年間)積み立て、想定利回りは年3%
  • 公的年金は65歳から、老齢基礎年金78万円・老齢厚生年金110万円(年額)
項目 金額(目安)
掛金による節税額(所得税・住民税) 年約4.8万円、25年で約120万円
65歳時点の残高 約892万円(元本600万円+運用益約292万円)

65歳で受け取る場合、勤務先の退職金が無ければ、一時金で受け取っても年金(20年)で受け取っても、iDeCoによって増える生涯の手取りは約1,000万円で、ほとんど差がありません。

ところが、同じ年に勤務先から退職金1,500万円(勤続30年)を受け取ると、結果が変わります。

受け取り方(65歳から) iDeCoで増える生涯の手取り(目安)
全額を一時金で受け取る 約921万円
全額を年金(20年)で受け取る 約1,008万円

退職金とiDeCoの一時金は、どちらも同じ「退職所得控除」の枠を使います。近い時期に両方を受け取ると控除が重なってしまい、iDeCoの一時金に税金がかかるためです。この例では、年金で受け取る方が約87万円有利になります。

受け取り方を決めるときのポイント

  • 勤務先の退職金と時期をずらす: iDeCoの一時金を先に受け取る場合は、退職金との間が9年以内(退職金を先に受け取る場合は19年以内)だと、控除の重なりが調整されます。
  • 年金で受け取ると、毎年の税金と社会保険料に影響する: 公的年金と合わせた年金の額で、所得税・住民税だけでなく、国民健康保険料・介護保険料も増えることがあります。
  • 受け取りを遅らせると、その間も運用が続く: 受け取りは75歳まで遅らせることができ、その間も非課税で運用されます。ただし運用の成果は約束されたものではありません。
  • 一時金と年金の併用もできる: 一部を一時金、残りを年金にして、控除の枠を両方使う方法もあります。

iDeCoシミュレーターの使い方

  1. ステップ1 あなたの収入: 年齢・給与収入・退職年齢などを入力します。源泉徴収票と住民税決定通知書の金額を入力すると、税金の計算がより正確になります。
  2. ステップ2 拠出プラン: 毎月の掛金・想定利回り・拠出を終える年齢を決めます。節税額・元本・運用益を、プランを並べて比べられます。NISAと組み合わせた場合の比較もできます。
  3. ステップ3 出口戦略: 公的年金(ねんきん定期便の金額)・勤務先の退職金・死亡予測年齢を入力すると、「生涯の手取りが最も多い受け取り方」と「税金・社会保険料が最も少ない受け取り方」を自動で探して比べます。

入力したデータは、お使いのブラウザの中だけに保存され、サーバーには送信されません。登録も不要です。

計算の前提と注意点

  • 所得税・住民税・社会保険料・退職所得控除・公的年金等控除は、現行の制度の値で計算しています。使っている値と根拠は、ツールの画面の「ⓘ 計算の前提」で確認できます。
  • 2026年12月の制度改正(掛金の上限の引き上げ、70歳まで掛けられるようになる等)を反映しています。
  • 運用の利回りは一定と仮定しています。実際の運用成果は変動し、元本を下回ることもあります。
  • 試算の結果は目安です。税務の判断が必要な場合は、税理士や金融機関などにご相談ください。

家計全体で考えたいときは

iDeCoだけでなく、NISA・生活費・公的年金・退職金まで含めた家計全体の見通しを立てたい場合は、iDeCoシミュレーターの「この設定で詳しく調整する」から、入力した内容をそのまま「ライフプランシミュレーター」に引き継げます。